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低学年のころの記憶である。
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就寝時間が8時に定められた私は、
夕飯の呼び声がかかる瞬間までが
自由な時間だった。
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平屋の北西に位置する、
ほぼ物置と化した
湿っぽい四畳間で時を過ごした。
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子ども向けの学習机はなく、
母親が昔から使っていた
重々しい机が私の定位置であった。
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入学を機に新調された
キキとララの椅子とピンク色の敷物が
部屋のうら寂しさを一層増長させていた。
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特に勉強の習慣があったわけではない。
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明日に想いを馳せて
学校の準備をしたり、
文房具に手を加えたり、
書き物をしたり、
何とはなしに過ごしていただけである。
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幼心にも
この時間が途切れずに続くことを
願っていたような気がする。
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そして今。
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ほぼ1日中、
机に座っている。
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恥ずかしい話だがㅤ
家族のいない平日は、
昼食もここでサッと済ますことが多い。
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あれやこれやと想いを巡らし、
最後は慌てて仕事を進めるのだ。
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ふと遠き自分を思い出し
過去と現在が、
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ポンと繋がった。
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※画像は紀伊国屋書店web storeからお借りしました。
粗いw