戦略的PRコンサルタント・野呂エイシロウ『「話のおもしろい人」の法則』は誰もが読むべし

恥ずかしながら、

PRのトップを走る野呂エイシロウさん(1967-)を知らず

その道に足を突っ込んでしまった。

   

その存在を知り、

慌てて買い求めたのは、まず

『「話のおもしろい人」の法則』(アスコム、2014)。

   

コミュニケーションのバイブルであり、

お仕着せではない人生訓を学べる

価値ある本であった。

手に取る前は、

「放送作家」という肩書きから

賢くてもきっと傲慢な人に違いないと

非常に失礼なイメージを野呂さんに抱いていた。

 

しかし、

私の憶測と反して、

野呂さんは賢さを具えているのはもちろんのこと、

サービス精神に溢れた優しい方だった。

   

私の”当てずっぽう”も

いいところである。

   

本書は話術を述べた、

いわゆるハウツー本ではない。

   

48の法則について実例を盛り込んで

教示する体裁にはなっているものの、

その根底には著者の生きざまが感じられた。

 

私の備忘録として、

特に心に留めておきたい部分を

ここに記す。

   

過去の栄光には触れない

野呂さんは、人に実績を出す場合、

過去一年以内という期限を自分に課しているという。

(法則17・88頁)

   
ドキリとした。

   

私を含め、

多くの人が何十年も昔の

色褪せた栄光を引っ張り出し、

生きているのではないだろうか。

   

今なにができるか、するのか、

ここを起点に走り続ける野呂さんの背中に

ついていこうと思った。

   

ところで、野呂さんが関わっていた

「天才・たけしの元気が出るテレビ‼」は

私が小学生の頃、大いに楽しんだ番組である。

  

ひときわ印象に残っているのは、

青色ラインジャージで異彩を放っていたエンペラー吉田さん。

   

どうしているだろうか。

   

明石家さんまさんに倣う対話術

放送作家の野呂さんらしく、

本書の例え話には

タレントの明石家さんまさんがよく登場する。

   

野呂さんが述べるとおり、

さんまさんの芸風は独演スタイルではない。

    

どの番組でも、

複数のタレントを相手にして

”大きなリアクション”で笑いをとる。(法則23・116頁)

   

野呂さんは、

集団でも「1対1の対話」の中から

面白さを引き出すさんまさんの立ち振る舞いをヒントに

人の心をつかむコツを解く。

   

例えば、

これを会議に転用すると、

「特定の一人に呼びかけ

提案を投げかけよ」というのである。

   

いささかテクニック的である。

   

しかし、この声掛けで周囲からの信用を得ることができ、

物事がよりよい方向に進むのならば

一度は試す価値がありそうだ。

   

営業交渉のコツ

野呂さんは、

自らの営業スタイルも教えてくれた。

(法則28・138頁)

   

この部分を読み始めた瞬間、

本書に出会えて本当に良かったと実感した。

  

ただ、

内容を著作権を無視して広げることは

当ブログの本意でない。

   

気になる方は是非、

本書を手に入れて「48の全ての法則」に

目を通して欲しい。

   

ところで、

野呂さん流サービス精神は、

結果的にビジネスの成果を生み出している。

   

それは誰かを出し抜くための

ツールでは全くない。

  

この極意が広く実践された暁には、

世の中の人間関係は

もっと良くなるはずだと思うのである。

   

野呂さんは

15冊以上の本を刊行している。

   

しばらくは、

野呂さんの本を読破するために

忙しくなりそうだ。

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