イギリス文化に憧れて渡英した2000年の遠い記憶を手繰り寄せ~『ジェーン・エア』を読み直す~

イギリス文化に憧れて渡英した2000年の遠い記憶を手繰り寄せ~『ジェーン・エア』を読み直す~

25年ぶりに『ジェーン・エア』をよなよな読んでいる。
体調が良くなったのにまた寝不足だ。

悪癖。

エッセイスト・玉村豊男さんの『ロンドン 旅の雑学ノート』の影響だったか、20歳の頃の私はイギリス文化に興味を持っていた。

図書館でその類の本を存分に借り出して読み、日本史学科の4回生になった私は「西洋史」「西洋美術史」の授業まで履修した。

先生が話題に出すヴィクトリア朝時代の文学にも手を出し、『ジェーン・エア』『嵐が丘』『秘密の花園』のヒースの世界に触れた。

もちろん、『シャーロットホームズシリーズ』も並行して楽しんだ。
    

当時の私はかぶれていた。

チューブと呼ばれる地下鉄、スコーン&クロテッドクリーム、モリスデザイン、茹ですぎたパスタ、フィッシュアンドチップスとイギリスらしい言葉を聞くだけワクワクし、大学卒業間際の2000年2月、私はとうとうイギリスへ3週間の旅に出た。

ホームスティをしながらカンタベリーの語学学校へ通い(一番安かった!)、各国の留学生と街へ繰り出した。週末は、バースやドーバー海峡を訪れた。

その後の一週間は、ユースホステルを渡り歩きながらバックパックの一人旅を楽しんだ。焼き栗をポケットにしのばせて。

そして再び『ジェーン・エア』である。

イギリスの偏屈ながら激しい感情がうごめく灰色の世界に私はなぜか触れたくなった。
詳細なストーリーは記憶にない。

分かるような分からないような文脈と非情な感じで情に溢れる不思議な感覚がやっぱりたまらなかった。

しばらくは一人イギリス・フェア。

新たな境地として「ヴィクトリア朝のイギリス文学」は、おススメです。

    

↓当たり前だが25年前と表紙が違う。可愛くなった。

↓インド植民地時代の様子を嗅ぎ取ることができる、
『秘密の花園』(新潮社)

↓イギリスの荒れ地「ヒース」を存分に楽しむなら、
『嵐が丘』上(岩波文庫)

  

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