おしゃれ啓蒙家・MBさん(http://www.neqwsnet-japan.info/)の影響で、最近、ユニクロに足を運んでいる。
シンプルで扱いやすい商品が多いことを、今の今になって知った。
アパレル業界の門外漢なのに、大衆向けのカラフルで安価な商品群という見当違いな思い込みをし、バカにしていてごめんなさい。
そんなユニクロの生みの親、ファーストリテイリング会長兼社長柳井正氏が解説する、プレジデント書籍編集部編『プロフェッショナルマネジャー・ノート』(プレジデント社、2011)を読んだ。
ハロルド・シドニー・ジェニーン『プロフェッショナルマネジャー』(プレジデント社、2004)を再編集したという本書は、経営者への助言やマネジメントのあり方などが、見出しと3ページの文章でそれぞれ構成されている。
表紙に「速習」とあるように、1~2時間で読み通せる。
経営者でなくとも、マネジメントの参考になる本だと感じた。
以下は、私が気に留めた3項目である。
目標が達成されない自己弁護の怖さ
私が以前勤めていた職場では、ある指標の増減を毎月、管理職に報告することになっていた。
書類の作成は直属の上司が担当していたので、私のあずかり知るところではないがこの業務自体に不信感を持っていた。
なぜなら、検証がされていない目標であったし、職場で共有もされていなかったからである。
結果の要因に至っては、良くも悪くも天気のせいというお粗末なものであった。
本書では、経営者が「非の打ち所がない論理的根拠を出すのは簡単」(101頁)であると述べ、目標に達成しない要因に納得しがちな職場の現実に警告を鳴らしている。
経営者の取るべき姿は、「結果を達成したか、しなかったということ」(102頁)に注視し、目標を達成すべく問題解決を図るだけなのである。
納得されない命令はしない
仕事は、命令されたら絶対に遂行するものであると信じてきた。
しかし、相手が納得しない限り、その命令はいい結果にならないという。
私の考えは、性善説に従った幻想であった。
無理強いをさせると、「モチベーションを落とすどころか、心の中でうまくいかないことを願う気持ちさえ生まれる」(115頁)というのである。
小さな主従関係でも「選択の責任」を相手に与える必要性をここで学んだ。
給与体系システムの罠
給与の昇給システムは、優秀な従業員を囲いこむための策略であるという。
人々は安い給料で雇用され、徐々に昇給されて飼い慣らされ、「転職するには時機を失していた」(181頁)という状態になっているのだ。
そうは言っても、意図して社会的評価のされる会社で働き、いい環境の事務室で過ごし、恵まれた福利厚生を享受する者もいる。
確かに、大企業や公務員に就職する人はそんな思考の人が多い。
私にとっては残念なことであるが、それが多勢なのかもしれない。
ところで、日本で年功序列と称される昇給制度は日本特有の事象であると思っていたが、アメリカの起業経営を説いた本書にも登場するとは意外であった。