NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢話~」初回を視聴して

NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢話~」初回を視聴して

大河ドラマ2025の制作発表から1年半以上もの間、放送を楽しみにしていた。

(ファンの方には申し訳ないが)俳優の横浜流星が好みというわけではない。

歴史ドラマを標榜するに相応しく、その時代設定が私の心に響いたのである。

   

第一回は明和9年からスタート!

第一回の放送は、江戸の後期と言われる明和9(1772)年から始まった。

「安永年間ラバーズ(←聞いたことない)」としては、最高の走りだし!

なぜなら、私の大好きな江戸文芸の「黄表紙」というジャンルの成立は、安永4(1775)年といわれているから。

ただし、心配なことがある。

大河ドラマを取り上げるメディアの記事は、蔦重(蔦屋重三郎)の活躍を「喜多川歌麿」「写楽」として紹介する向きが多い。

つまり、浮世絵の蔦重。

ドラマでは「安永年間」に深入りせず、すっ飛ばしやしないかとヒヤヒヤする。

私は蔦重の活躍、というよりも当時の町人文化のあれこれをこの目に収めたい。

勝手だね(笑)

   

タイトル「べらぼう」について

  

「べらぼう」は当時の頻出用語という気がしない。

前田勇氏『江戸語の辞典』には、

①あほう。ばか。人を罵倒する語
②無粋。野暮。
③数量の多く程度の甚だしいこと。(助詞を伴い副詞と用いる)

と説明される。

用例の時代は①宝暦。➁安永。③天明。

ということは、ドラマの「べらぼう」は➁だと思う。

ところがである。

初回前日の番宣で「あなたのべらぼうは?」と出演者に問いかける企画が放送され、どうも「程度の甚だしいこと」として扱われていた向きがある。

NHKだもの、しっかり時代考証されているだろう。納得できる「べらぼう」の意味がこれから放送されるのかもしれない。

つまり、べらぼうは私。

   

副題「蔦重栄華乃夢噺」について

蔦重栄華乃夢噺のルビは「つたじゅうえいがのゆめばなし」。

これぞまさに江戸文芸の題名!っぽい。笑

私も、江戸風の題名をつけてみたかったと嫉妬している。

「栄華」は「栄花」と同一で、歴史物語「栄華(栄花)物語」の書名にも含まれる一般的な語句。

ただし、時代設定を考えると、黄表紙の始まりと言われる作品『金々先生栄花夢(きんきんせんせいえいがのゆめ)』から取ったものだと推測する。

上記の作品は、主人公の身に起こる栄華はすべては夢の中の話だったいうオチ。

ドラマでもおそらくその世界が踏襲されるのだろう。

すべてが予想の域!

 

第一回「ありがた山の寒がらす」について

ネタバレしません。

初回タイトルに含まれる「ありがた山」は当時のダジャレ。

詳しくは、国文学の研究者・松原哲子(まつばらのりこ)さんの論文を!

※「草双紙における流行語の位置」『近世文芸』第68号(1998)

私は「ありがた山」と見聞きしただけで、ご飯が食べられるほど嬉しい。

なんのこっちゃ山。←使い方が違う……

  

東京国立博物館が特別展を開催!

NHKと連携し、東博が特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を開催するとのこと。

期間:2025年4月22日(火)~ 6月15日(日)

↓特別展の特設サイトはこちら
https://tsutaju2025.jp

↓Instagramもある!
https://www.instagram.com/tohaku_edo2025/

久しぶりの「粋狂の会」案件かな。

    

  

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