穏やかで爽やかでエスプリの効いた、そう、”お姉さん”みたいな素敵な文章が書けないことへの引け目がある。
四姉妹の長女なのに。
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今日の「読売KODOMO新聞」を開くと、そこには作文コンクールの審査員として二人の巨匠の姿があった。(なぜ、イラストなのだろう……)
懐かしく眺めているうちに、私の書けない理由が少し分かった。
その巨匠とは、町田康と穂村弘。
学生時分の私が勝手に嫉妬した二人だ。
当時、『現代詩手帖』(思潮社)に町田康の詩が毎月一篇、掲載されていた。
河原町の駸々堂に欠かさず立ち寄り、「またやられたーーーーー!!!」と、渋い顔で口走りながらも高揚感を得ていた。
おそらく、嫉妬が私の最大の賛辞なのである。
歌人の穂村弘に対しても町田康と同様の反応をしていた。
さらにいうと、島田雅彦も被嫉妬者である。
巨匠らをまとめて捉えること自体が無謀で失礼極まりないことなのだが、パンクでキュートでポップな彼らへの私の畏敬の念が”お姉さん”らしくなれない所以だといえよう。
(大層だね……笑)