異動の多さは、公務員の特徴の一つ。
特に地方公務員は、
福祉に教育に環境に税制に
経済に戸籍に議会にスポーツに……
と、業務の幅が広い。
異動辞令が出ると
転職したも同様の影響力がある。
毎年それは
ロシアンルーレットをしているよう。
人々の予想は大抵外れる。
人事には失礼だが、
実際、なんの脈略もないと思う。
(下っ端は、ね)
穏和な一年になるか
激動の一年になるか
人生を左右する一大事だ。
それでも入職当時の私は、
〈経験が積めるシステム〉
と捉えて頑張っていた。
ただただ、若かったのか。
後半はその異動が
苦悩になっていった。
教育畑の私は
仕事の変化への苦しみではなく
人間関係に疲弊していった。
それは、
辞めるきっかけにもなった。
…
私の人生を勝手に、
いとも簡単に決められたくない
…
そう強く思うようになっていったのだ。
最後は糸が切れた。
―――
退職して半年が経った。
先日、内示の発表があったようだ。
メールにラインに電話にと
方々から異動の情報が入ってきた。
私はもういないのに。
全く関係ないのに。
しかし、
その気持ちは十分に分かる。
知らせたくなる、
それが内示のパワーなのだ。
ある意味、祭りとも言えるだろう。
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4月になると
彼らは来年の内示に向けて
また動き出す。